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「東京の水=まずい」はもう古い!東京都のおいしい水道水への取り組み

「東京の水=まずい」はもう古い!東京都のおいしい水道水への取り組み

かつて東京は、非常に不名誉な呼称で呼ばれることがありました。それが「日本一水道水のまずい都市」というものです。

「ミネラルウォーターやウォーターサーバーを利用しないと、とてもじゃないけど生活できない」と言われたこともあったほど……。

しかし現在、東京都の水道水は大きく様変わりしています。

かつての東京都の水道水に対する評価とは

水道

かつて、東京都の水道水への評価というのは非常にひどいものでした。

「日本一まずい水道水」「水に変な臭いがある」「水道水などは飲めない」「毎日ミネラルウォーターを買っている」「ウォーターサーバーのない生活など考えられない」「料理に使うことすらためらう」など、その評価は惨たんたるものだったのです。

このためか、現在でも「東京都の水道水=まずい水道水」という認識を持っている人も多いのです。

これにはいくつかの理由があります。日本の技術は日進月歩ですが、「水の処理」という面でも同じことが言えます。今と30年~40年前では、まったく水の状態が異なるわけです。

言い方を変えるのであれば、かつて、「進化する前」の水の処理はかなり問題があったのです。

今から40年~50年ほど前の東京では、水の処理がうまくできていませんでした。高度経済成長をうけて工場が発展していった時代ではありましたが、同時に、今では考えられないほど公害がひどい時期でもありました。とくに1960年代後半から1970年初頭のころは、生物化学的酸素要求量(高ければ高いほど、水が汚れていることになる)は2010年の90倍近くもあったと言われています。

有名なのは1968年の「イタイイタイ病」、1965年ごろに起こった第2次水俣(みなまた)病ですが、これほどではなかったとしても、工場の水などによって全国的に川の水が汚れた状態にあったのです。

このように汚れてしまった水は、本来は浄水施設によって処理されます。しかし浄水施設の技術は今ほど進展しておらず、しかも今とはくらべものにならないほど汚れた水であったため、浄水の処理をしても、この「汚れ」を除去しきることはできませんでした。

その結果として、「まずい水」が「東京都の水道水」として、各家庭に届けられてしまっていたわけです。

東京都の取り組みについて

浄水場

このような「公害問題」は、表面化するとともに問題視されるようになり、国をあげて対策を講じるようになりました。

そのなかで徐々に公害問題は解決されていきます。もちろん痛ましい被害の爪痕を残したことは確かですが、「安全な日常」を送れるようにするために、工場のあり方が見直されたわけです。

東京都もまた、このような「まずい水」「日本で一番まずい、東京都の水道水」の改善に取り組むようになります。

その歴史は長く、そして地道なものでした。1970年代の終わり(1978年ごろ)には、東京でもとくに汚れがひどかった足立区において、その川の生物化学的酸素要求量が1971年に比べて半分近くにまで減りました。

その後もさまざまな取り組みがなされています。進歩した浄水技術でつくりあげた高度浄水処理という方法は、現在ではすべての施設に備え付けられ、安全かつおいしい水道水を提供できるようになってきているのです。

現在の東京都の水道水について

女性と水

「不名誉な称号」を与えられた東京都の水道水でしたが、その後の歩みは、この不名誉な称号を返上するための戦いでもありました。おいしく、美しく、安全な東京都の水道水を届けることを目的として発展してきたさまざまな工夫は、現在では「おいしい東京都の水道水」をつくりあげることに役立ちました。

その象徴とも言えるのが、2015年に行われたキャンペーンでしょう。

これは東京都水道局が行ったものであり、東京都の水道水とミネラルウォーター(ペットボトルに入ったもの)を比べて、そのおいしさを比較したものです。実に5万人を超える人が参加したこのキャンペーンでは、「東京都の水道水の方が、市販品よりもおいしい」と答えた人が約4割に上ったと言います。また「甲乙をつけがたい」とした人の割合も2割程度に上りました。

このようなことから、現在は「東京都の水道水=まずい水」という考え方は間違ったものになりつつある、と言えるでしょう。もちろん好みなどはありますが、昔のように、「東京都の水道水=まずい水」という等式は成り立たなくなっています。

おわりに

「都会の水はまずい」という意見はよく耳にしてきましたが、大都市である東京は、努力と技術の革新によって、その認識を覆しました。これは非常におもしろい話であり、また素晴らしい話でもあります。私たちにとって当たり前にそこにある「水」のおいしさや安全性が、実は絶え間ない努力によって支えられているものだと、あらためて気づかせてくれる話だと言えるでしょう。

ちなみに私も東京に少し住んでいましたが、2000年に入ってからというのもあり、やはり水はほかのところと同じようにおいしかったですよ!

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